日本最古の「丹後国風土記」に描かれている浦嶋子(浦島太郎)の物語の舞台となった宇良神社は浦嶋神社とも呼ばれ、浦嶋子を御祭神としており、延年祭・本庄祭はその浦嶋伝説で知られる祭事となっています。
神社には、日本最古といわれる浦嶋太郎物語が細かく描かれた絵本著色浦嶋明神縁起絵巻(国指定重要文化財)のほか、室町中期から桃山時代にかけての見事な文様が施されている刺繍桐桜土筆文肩裾小袖(国指定重要文化財)、室町時代に作られたとされる亀甲文櫛笥の玉手箱などが保管されています。
3月に開催される延年祭は「福棒祭り」とも言われ、コシアブラの木でつくられた繭玉と俵の「タチバナ」、福棒と呼ばれる御神棒を神殿に納め、参拝者がクジを引き、当たりが出るとご利益として福棒やお餅を授かります。延年祭の後、伊根町指定無形民俗文化財である「河来見翁三番叟」という能が奉納されます。
本庄祭は 約1200年続く祭りで、五穀豊穣や豊漁などを祈願します。前日の宵宮には各地区から手丸提灯を先頭に並んで伊勢音頭を歌いながら浦嶋神社に向かいます。この宮入は本庄浜が一番のりをするのが決まりで、この後、各地区の若者が裸になり一団となって激しくもみ合いをします。
本祭では、各区から太鼓台を曳いて宮入し、神事が終わると、祭礼(棒振り・小太刀・大太刀・花踊り)が奉納されます。これらの祭礼芸能は京都府指定無形民俗文化財となっています。