京都府福知山市上野条地区にある御勝八幡宮で25年に一度開催される御勝大祭。
そこで天座地区の方々が奉納される田楽「天座の田楽」は京都府の無形民俗文化財に指定されています。
この田楽は「烏とび」「ビンザサラ」「猩々舞」の3つの踊りで構成されています。
「烏とび」は裃姿で頭に烏帽子を付けた3人の少年が横一列に並び、笛に合わせて左右に飛ぶ踊りです。元々は笛の音色に合わせて踊るのみでしたが、「烏」をイメージし踊りの最後に額に扇子を当て、「カーッ」と声を出すようになったと云われています。
「ビンザサラ」は裃姿の男性が腰には刀、頭に烏帽子、口には榊の葉を咥え、正面を向いて横2列6人ずつ並んで踊ります。手には「ビンザサラ」という木の板が88枚繋がった打楽器を持ち、目の高さまで持ち上げ、持つ手をひねり打ち鳴らします。
「猩々舞」は2人の青年が緋色の羽織はかま姿、頭にも緋色のカツラをかぶり、扇を持ちながら謡に合わせて踊るもので、能の面影が残されています。武田信玄率いる武田家が滅んだ際に、その家来達が天座地区に移り住み、そこから伝承されてきた舞と云われています。