毎年8月16日に京都府福知山市多保市地区の天神社の祭礼として行われる「多保市の笹ばやし」は、京都府の無形民俗文化財に指定されています。
1669年(寛文9年)に100日間干ばつが続いたことから不作を危惧した城主が、農民に雨乞いを祈願するよう命じ、祈願祭として行われたのがこの多保市の笹ばやしだと伝えられています。祈願祭の後実際に大雨が降ったことから、その後も毎年行われ、現在まで伝承されてきました。
大人たちが棒で「堰」に見立てた柵を作り、水に浸した笹を持った子どもたちは歓声を上げながら柵を叩き、何度か繰り返した後、柵を倒して駆け抜けていきます。この一連の動作は「堰が切れるほどの大雨が降ってほしい」という願いが込められています。
毎年10歳~12歳の子どもが40人ほど参加し、昔は男児だけでしたが、少子化の影響もあり現在は女児も参加可能となっています。
また祭礼内では、年ごとに趣向を凝らした造り物を載せた飾り屋台が、伊勢音頭をはやしながら巡行します。